夜明けの瀬戸内。波は穏やかながら曇り空。この時間帯に瀬戸内の船上から海や四国の山並みを眺めるのは何十年ぶりでしょう。スカッとした夏空でないのは残念です。せめて雨さえ降らなければ、との思い。  

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真ん中の一番高い山は、西日本最高峰の石鎚山です。地元の多くの学校の校歌にも出てきます。

 昨夜22時に大阪南港を出航したフェリーが、愛媛県西条市にある東予港に入港したのは朝6時。今夏、高校野球の甲子園に春夏通じ初出場した小松高校はこの近くです。東予港から今治市街地へは連絡無料バスで凡そ1時間。今治駅構内で朝食後、港へ移動、今治港からフェリーで岡村島を目指します。この航路は来島海峡を横断するので、時間帯や季節によっては、大きく巻いている渦や、急流下りの川の流れを思わせるような潮流を目の当たりにでき、小さな船ですとその潮に揉まれるスリルも味わえます。この日の朝は残念ながらめぐり合うことはできず、早くも楽しみの一つが無くなってしまいました。1時間ほどで岡村島へ到着。高齢過疎化の悩みを抱える島ですが、旅人には、ほっとした気持ちを抱かせる町並みです。海沿いの道を南へ歩いて10分ほどで宿に到着。そこは島の方が営んでおられる定員10人程の民宿。もともと小さな喫茶店だったのを、今のご主人が手作りで宿泊棟を増設されたとか。初日は私達だけの貸し切りです。

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しまなみ海道の下を潜る航路。

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今治は造船の町でもあります。

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岡村港に近づきます。

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私達がお世話になる宿です。

 一休みして、いよいよ岡村島探訪の始まり。地図上からは1周5キロくらいだろうと目測してランニングスタート。島の南東端から時計回りに走ります。左手には瀬戸内海と安芸灘に浮かぶ島が望め、右手の山の上にはミカンや柑橘類の樹木が見えます。2㎞程走ると、愛媛県岡村島と広島県大崎下島(オオサキシモジマ)を結ぶ越境の橋が見えてきました。明日、天気が良ければ、この橋を渡り県境を超え、大崎下島巡りもするつもりです。その橋の下を潜り岡村島の北側へ回りますと、今度は大崎上島(オオサキカミジマ)が見えてきます。この島は安芸灘の中でも大きな島で、漁業や農業だけでなく造船所もあります。
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 この辺りまで来ると、どうやら岡村島一周は5㎞より遥かに長いのではないか、と思えるようになりました。既に3,4キロは走っているはずなのですが、漸く島の左半分を終えたところのようです。島の北端に来たところで目に入ったのは「正月鼻古墳公園」の看板。5世紀当初の箱型石棺4基が見つかり今は公園として整備されているそうです。この島に当時それだけの墳墓を造れる豪族がいたのか、と不思議に思えます。因みに正月鼻の謂れは、壇ノ浦の戦いで敗れた平家の残党が毎年正月になるとここに現れ、壇ノ浦の方角へ向かい一門の冥福を祈ったとことから、とのことです。鼻は、その名の通り、海に突き出た小さな岬(突端)を表しています。今治市は美人の街で、島内外だけでなく何か所も風光明媚な高い鼻がある街です。この古墳も天気が良ければ、明日の午後、詳しく探訪予定。

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 ここから更に東進。崖と海に挟まれた細い道が続きます。途中、一人の釣り人と出会った他は、車はおろか人影すらも見かけません。7,8キロで小さな峠を越えると、漸く港のある街並みが見えてきました。なんとか雨に降られることなく、10㎞弱、1時間ほどの島一周の探訪を終えました。

  昼は、港近くにある最近できたばかりの「まるせきカフェ」で、島で採れた野菜たっぷりのそうめんで、腹ごしらえをします。このカフェは、島おこし隊の方々がはじめられたお店です。この

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 宿に戻り、一服した後は砂浜へ海水浴に。ところが今にも雨が降りそうな雲行きで気温も海水温も上がらず、折角の綺麗な砂浜と海には人っ子一人いません。良く言えばプライベートビーチともいえましょうが、流石に冷たい海に長時間入っていることもできず、ものの10分か20分ほどで引き揚げ、お楽しみの夕食を待つことにします。

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夕食のテーブルの上には地元の海産物が並べられていました。一際目を引いたのはアコ
ウの舟盛り。アコウは白身の魚で、漁獲量も極めて少ない高級なおさかなです。それだけも贅沢ですが、手のひらより大きな岩ガキやサザエ。そして棚に並べられた日本酒の一升瓶。天気の悪さを補ってもなお余りあるほどの心地よさを味わうことができました。

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 明日は良い天気になるかな。

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 2年に一度の島探しの旅。愛媛県の島だけでもメンバーが訪ねたことのない島はまだ数多くあります。「どの島に行こうか」。それを決めるのは私の楽しみの一つです。決定権はほぼ私の手中にありますから、これまでの大三島、大島、馬島は私の出身地である今治の島。弓削島は子供の頃に海水浴に行った島。そして松山市の中島はトライアスロンレースで1986年から毎夏通い続けている島。そして今回は…。
どこにするかとは、一切迷いませんでした。『岡村島』と決めていました。昨年の秋から目星をつけていました。きっかけはブログとFBを通じて、岡村島島おこし隊の方と知り合いになったからです。そして、今年の正月休みには一人で下見にも出かけ、ここなら皆にも満足してもらえると思ったのです。

 岡村島は、瀬戸内海中部にある関前諸島の中の一つです。愛媛県と広島県の境にあります。行政区としては、かつては愛媛県越智郡関前(セキゼン)村でしたが、2005年1月に今治市と合併しました。周囲は凡そ11㎞、ミカン栽培と漁業が盛んな400人程の方が住む安芸灘(アキナダ)に浮かぶ島です。
 ただ、今治市に属するとはいえ、この島と今治市街地を結ぶ唯一の交通手段はフェリーか高速艇になります。今治・尾道間はしまなみ海道を使い車で移動できますが、岡村島は今治からは車では行けません。しまなみ海道の中ほどにある大三島から岡村島行きのフェリーもありますが、今治市街地からですと利便性に欠けます。どちらにしても船を使わなければ行けません。一方、本州の広島県呉市からは、安芸灘諸島の島々を結ぶ橋を通じて車で来島できます。四国の島にも拘らず本州とは陸続き、と言えるでしょう。その陸続きの道は「とびしま海道」と呼ばれ、岡村島はその終点(島から見れば始点)になります。とびしま海道はしまなみ海道と並びサイクリストで賑わい始めているようです。海岸線沿いの風光明媚な車の少ないコースは、のんびり派だけでなく、ロードレーサーでのトレーニングには最適です。夏は至る所にきれいな海水浴場もありトライアスロンの練習にもお勧めできます。

その岡村島に行き先が決まった次の楽しみは、移動方法の選択です。例年は東京発の夜行バスに乗り翌朝に今治に着く、という日程でした。少ない休日を有効に過ごすには夜行バスは便利です。ただ、今年は『青春18きっぷ』を使って各駅停車を乗り継いでの旅を考えました。私は近年、何度かこの方法で横浜から今治まで帰省したことがあり、もともと鉄道ファンということもあって、この切符は有効に利用しています。今回は費用的にも格段に安く、高齢化しつつあるメンバーの体力的にも耐えられるうちに、一度は経験してもらいたいと提案、他の参加者も幸い面白がってくれました。
 それでも、この移動法の問題点は二つ。その1。東京から今治まで各駅停車を乗り継ぐとすれば、今治に最終23時17分に到着するには、途中の食事の時間も考えると東京駅5時20分に乗らなければなりません。さすがにこれはキツイ。そこで選んだのは大阪まで各停で、大阪から愛媛県の東予(トウヨ)港行きフェリーに乗り換え、上陸後は連絡バスを使って朝7時に今治駅に到着するルート。これなら朝9時に出れば良いし、夜はフェリーで寝られるので楽なはずです。四国にフェリーで渡るのもまた、楽しからずや、との思いもあります。運賃は青春18きっぷと合わせても凡そ8,000円で夜行バスより安上がり。ただ一つ、このルートでは、大阪までの電車内でのビール代や昼食、大阪でのフェリー待ちの間の飲食代を考えますと、結局はトータルでは高くつくことになるには違いない、とは思われました。
 
 そして、いよいよ出発当日。7月31日、合計年齢249歳の男女4人が横浜駅を出発、大阪をめざし9時19分発の熱海行きに乗り込みます。下り電車ですから、都心に向かう通勤電車とは逆方向。擦れ違う通勤客をよそ眼にゆったりとシートに座り込みました。小田原を過ぎたあたりから太平洋が望め、青い空には夏の雲が湧き立っています。良い夏休みを迎えられそうだ、と気分も高揚。ただ、ビールはまだお預けです。10時前でワイシャツ姿の乗客もちらほら見えますから遠慮もあります。

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熱海で25分ほどの待ち時間。その間に売店でビールとつまみを購入。乗り換え後の電車内で控えめに本日最初の乾杯。まだ12時前ですからね。さらに2度乗り換え、昼食の目的地、浜名湖近くの新所原駅にある『駅のうなぎ屋』に着いたのが14時半頃。今回の各停乗継の旅の目的の一つです(単に私が行ってみたかっただけのことですが)。ここはJRと隣接する天竜浜名湖鉄道の新所原駅構内にある、鉄道ファンの間では知られたお店です。乗車券売り場脇で注文をし、駅事務所の裏側にある店内で食事をします。大きなうな丼を食べながら、本日2度目の乾杯。メンバーは満足してくれたようで、選んだ甲斐がありました。メンバー高齢者は既に日本酒に移っていますが、ここまで横浜から約250㎞、ここから大阪まで約270㎞。まだ半分なので、酔っぱらうわけにはいきません。

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 おなかを満たした後、豊橋で乗り換え大垣を目指します。名古屋17時頃通過。この辺りから仕事帰りの方が増えてきました。ちょっと気が引けますが、私たちも普段はちゃんと仕事をしているので許してね。少し飽きてきたころですが、車窓には、岐阜城、関ケ原、伊吹山と次々と現れ、気を紛らわせてくれます。
大阪駅には19時45分到着、まだ日は暮れ残っています。フェリー出航までまだ2時間。梅田地下で、串カツを手に3度目の乾杯した後、フェリー乗り場へ移動。ここで大阪在住のメンバー一人と合流、今回の大人の夏休み旅のメンバーが勢揃いとなりました。

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かつては阪神と四国、九州を結ぶ航路は多数ありましたが、本四架橋が完成してからはめっきり少なくなってしまいました。その数少ない航路の一つが今回乗船したフェリー。大阪南港フェリーターミナルと愛媛県西条市の東予港を結んでいる大型フェリーです。船内にはレストランや展望室、海の見える大浴場もあります。船内では夏休みとあって、遠征に行くサッカー少年団や、しまなみ海道を目指す多数のサイクリストとも乗り合わせました。私たちは風呂で一日の疲れと汗を流した後、4回目の乾杯。船上から神戸の夜景を眺め、明石海峡大橋を潜った後、明日も良い一日でありますように、と願って眠りにつきました

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「まだ1周、まだ1周。そう呟きながら80歳を超てもなお、皆で集団になって走り続けているんだろうね。」
「記憶力はなくなっても足腰だけは鍛えていたから、自分たちがどれだけ走ったか分からなくなっても、いつまでも走り続けられると思うよ。」
「でも、都会の真ん中で走っていては交通事故に遭う危険があるね。」
「だからと言って、山の中では遭難しそうだし、人の少ない所だと迷子になった時に道を訊ける人と出会えないかもしれない。」
「なかなか良い場所がないよね。」
「そうだね。」
「いや、一ついい所がある。」
「どこ?」
「瀬戸内海の小さな島。」
「島?」
「そう、島。」
「なるほど。島ならぐるぐる回っても迷子にはならないし、走り続けても元の場所には戻れるからいいね。」
「瀬戸内海の離れ小嶌なら車もすくないだろうし。」
「無人島で、我々だけの共同生活をすれば人に迷惑をかけなくてもすむかも。」
「大きさは1周10㎞位がいいね。」
「そうだ、島を探しに行こう。」
「そうだ、瀬戸内海へ行こう。」
10年余り前、酔った勢いでの冗談2割、本気8割の与太話から生まれた瀬戸内の島探訪の旅。ただ、メンバーは港区スポーツセンターで知り合ったランニング仲間なので、正式名称は『港区スポーツセンターランニングクラブ四国合宿』です。

港区スポーツセンターは、東京都JR山手線田町駅前にある港区が運営する公共のスポーツ
施設です。公共とは言え、バスケットコート2面が取れるアリーナ、マシンの揃ったジム
の他、卓球場、弓道場、柔剣道場更には、25mプールも備えた立派な施設です。その施設
内のアリーナの2階部分にアリーナを囲む1周160mのランニングコースがあります。私
がそこに通い始めたのは30年近く前。当時の勤務先が港区にあり、トライアスロンに興味
を持ち始め、トレーニングのため仕事帰りに立ち寄るようになりました。今ほどのランニ
ングやトライアスロンがブームになる以前の頃でしたが、それでも当時は港区在住在勤者
の利用料は1回100円。狭いランニングコース内には多くのサラリーマンやOLが走り回
っていました。その中でも、いつも6,7人の集団で走っているグループがいました。多い
時は10人を超えていたでしょうか。幅はせいぜい2m位しかない狭いコースの中でキロ4
分半程のペースで走っていました。たから、大多数の健康ジョギング派にとっては正直な
ところはた迷惑な集団でした。まぁ、その頃の私にとっては手ごろなペースでしたが、そ
んな迷惑集団とは距離を置いて、追い越すことも追い越されることもなく、一人で走って
いました。ただ、一つ羨ましかったのは、練習を終えてロビーを通って帰るとき、いつも
そのグループが集まってどこかへ出かけていく姿でした。「多分、これから飲みに行くんだ
ろうな」。酒好きの私は、誘って欲しくもあり欲しくもなし、という微妙な気分で一人、誰
も待つ人のいない家へ帰るのでした。

 ただ、敵?もさる者。いつも顔を合わせているうちに私の酒好きを感じ取っていたので
しょう。ある日、ついにそのメンバーのリーダーと思われる人に声をかけられました。「来
月、メンバーで忘年会があるのですが、来ませんか?」
断るわけなどありません。端っている時に迷惑だと思っていた気持ちなど一瞬で飛びまし
た。「はい、行きます」。
これが、キヨタとメンバーとの付き合いの始まりです。それにしても多くの人が走って
いるランニングコースで、よくもまぁ、酒好きだけが集まったものだ、と思います。

ただ、「走らなければ、ただの酔っ払い。」と言われた私達も、さすがに毎夜、練習後に飲みに行くのは、ちょっと疲れます。仕事が一番ですし、家庭のある人も多いです。お小遣いも限られています。そこで、何の規約も制約もないクラブでしたが、唯一決めたルールは、「飲みに行くのは火曜日だけ。」というもの。当時、スポーツセンターは毎月曜日が休館日でしたので、休み明けの火曜日にできるだけ多くのメンバーが集まり、飲みに行こう、との趣旨です。
私たちは単なる酒好きだけではありません。当時20代から30代のメンバーにはフルマラソンのサブスリーランナーも多数いましたし、ウルトラマラソンランナーもいました。結構、真面目にランニングや仕事にも励んでいましたので、決められたルールはちゃんと守る。決められたルールはきちんと守る。真面目な社会人の集まりでもあります。ところが…。どうしても汗を流した後のビールの魅力には勝てません。ルールはルールとして守りますが、いつしかメンバーのカレンダーは、日月火火火火土に。つまり週末と休館日以外は火。このクラブでの迷言はいくつかありますが、その一番と言って良い迷言『毎日が火曜日』というとんでもない新ルールが生まれました。今で言いうところの○○解釈です。

そんなメンバーが、酔っ払いの戯言を実行に移し瀬戸内海の島を巡る大人の夏休みが始まったのは12年前。2年に1度、8月第1周の週末の恒例行事となっている、
初回と第2回は香川県塩飽諸島のある広島、3回目からはターゲットを愛媛県に移し今治市(当時は越智郡)の大三島、続いて今治市の大島+馬島、さらに松山市中島、前回は愛媛県弓削島+豊島、そして今回選んだのは今治市岡村島。「とびしま海道」の終点にある島です。さて、どんな大人の夏休みになるのやら。

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