呼称は堅苦しいのですが、皆様のご家庭にもこの1週間くらいの間に、各都道府県の選挙管理委員会が発行する新聞紙のような「最高裁判所裁判官国民審査 審査公報」というのが配布されると思います。その公報には最高裁判所裁判官の氏名、写真とともに、略歴、最高裁判所において関与した主要な裁判の事例、そしてそれぞれの裁判官の裁判官としての心得というものが載っています。何のために、このような公報が配布されるのでしょう。それは私たち有権者の権利として、最高裁判所の裁判官を罷免(やめさせること)ができる国民審査制度に活用するためです。

 12月16日は衆議院議員選挙です。ご経験のある方はご存知と思いますが、衆議院議員選挙の投票が終わった後、投票所で最高裁判所の裁判官の名前が記された用紙を手渡されます。今回は10人の名前が載り、その名前の上に枠があります。ここが選挙の投票用紙と異なります。選挙の場合は投票用紙に当選してほしい候補者名や政党名を有権者自身が書き込みます。これに対し、国民審査の場合は、裁判官を罷免(やめさせたい)人の名前の上に×を記入します(用紙には×以外は書かないでください。裁判官として認めるから○、等を書きますと無効票になってしまいます)。そして×を書かれた数が投票数の過半数を超えると、その裁判官は罷免されることになります。因みに、過去21回の国民審査が行われましたが、一人として罷免された裁判官はいません。これまでに最も×を付けられた割合が多かった裁判官でも10%半ばくらいだったと思います。このためこの審査制度自体、全く形骸化しているとの意見も少なくありません。その理由も分からなくはありません。
 一番の理由は、審査公報を読んでも中身が分からないことも少なくないことです。
 次に、審査制度自体の存在の意味が分からないことと思います。
 そして、私たちは、なかなか普段かかわりのない人に対して×を出すことはしないだろうと思われることです。

 しかし、この制度は私たちにとってとても重要です。最高裁判所裁判官は法の番人の最後の砦とも言えます。最高裁判所で出される判決は私たちの日常生活や企業活動その他に大変大きな影響をもたらします。ですから、裁判官が私たち市民の感覚と異なるような判断をするようであってはいけません。その為、それぞれの裁判官がどの様な裁判に関与し、どのような判断を下したかを知ったうえで、私たちがその裁判官を評価しなければなりません。その結果、私たち市民の感覚や考え方に近い裁判を行うよう導くことが可能となります。

 審査公報を既に読まれた方もおられるでしょうが、まだの方でお手元に審査公報が残っておられる方は是非一読されてみてください。ただ、関与した裁判の事例には、私たちの普段の生活では見慣れない言葉が並んでいて、読んで理解するのには大きな労力を要します。今は市民の裁判員制度が広まりつつあり、裁判の中ではできるだけ簡易な言葉が選ばれるようになっているのですが、この公報の文言はとても理解しづらいものがあります。もう少し改善してもらえる余地もあるのではないかと思います。
 それでも中には、国旗国歌問題や、危険運転致死罪、一票の格差に関する裁判などが挙げられていて、身近な問題も少なくありません。中には「切り餅」の絡んだ損害賠償事件などもあります。また裁判官とりての心構えには私たちの日常生活の上での心構えに通じる所も見つかるかも知れません。少なくとも、このブログよりも、楽しくて役立つことがあることに間違いありません。

日本で女性に参政権が認められたのは戦後。今年で66年。「婦人」と言う言葉に時代を感じます。
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