安芸灘で「かっぱ」と出会う:岡村島探訪記 その1

「まだ1周、まだ1周。そう呟きながら80歳を超てもなお、皆で集団になって走り続けているんだろうね。」
「記憶力はなくなっても足腰だけは鍛えていたから、自分たちがどれだけ走ったか分からなくなっても、いつまでも走り続けられると思うよ。」
「でも、都会の真ん中で走っていては交通事故に遭う危険があるね。」
「だからと言って、山の中では遭難しそうだし、人の少ない所だと迷子になった時に道を訊ける人と出会えないかもしれない。」
「なかなか良い場所がないよね。」
「そうだね。」
「いや、一ついい所がある。」
「どこ?」
「瀬戸内海の小さな島。」
「島?」
「そう、島。」
「なるほど。島ならぐるぐる回っても迷子にはならないし、走り続けても元の場所には戻れるからいいね。」
「瀬戸内海の離れ小嶌なら車もすくないだろうし。」
「無人島で、我々だけの共同生活をすれば人に迷惑をかけなくてもすむかも。」
「大きさは1周10㎞位がいいね。」
「そうだ、島を探しに行こう。」
「そうだ、瀬戸内海へ行こう。」
10年余り前、酔った勢いでの冗談2割、本気8割の与太話から生まれた瀬戸内の島探訪の旅。ただ、メンバーは港区スポーツセンターで知り合ったランニング仲間なので、正式名称は『港区スポーツセンターランニングクラブ四国合宿』です。

港区スポーツセンターは、東京都JR山手線田町駅前にある港区が運営する公共のスポーツ
施設です。公共とは言え、バスケットコート2面が取れるアリーナ、マシンの揃ったジム
の他、卓球場、弓道場、柔剣道場更には、25mプールも備えた立派な施設です。その施設
内のアリーナの2階部分にアリーナを囲む1周160mのランニングコースがあります。私
がそこに通い始めたのは30年近く前。当時の勤務先が港区にあり、トライアスロンに興味
を持ち始め、トレーニングのため仕事帰りに立ち寄るようになりました。今ほどのランニ
ングやトライアスロンがブームになる以前の頃でしたが、それでも当時は港区在住在勤者
の利用料は1回100円。狭いランニングコース内には多くのサラリーマンやOLが走り回
っていました。その中でも、いつも6,7人の集団で走っているグループがいました。多い
時は10人を超えていたでしょうか。幅はせいぜい2m位しかない狭いコースの中でキロ4
分半程のペースで走っていました。たから、大多数の健康ジョギング派にとっては正直な
ところはた迷惑な集団でした。まぁ、その頃の私にとっては手ごろなペースでしたが、そ
んな迷惑集団とは距離を置いて、追い越すことも追い越されることもなく、一人で走って
いました。ただ、一つ羨ましかったのは、練習を終えてロビーを通って帰るとき、いつも
そのグループが集まってどこかへ出かけていく姿でした。「多分、これから飲みに行くんだ
ろうな」。酒好きの私は、誘って欲しくもあり欲しくもなし、という微妙な気分で一人、誰
も待つ人のいない家へ帰るのでした。

 ただ、敵?もさる者。いつも顔を合わせているうちに私の酒好きを感じ取っていたので
しょう。ある日、ついにそのメンバーのリーダーと思われる人に声をかけられました。「来
月、メンバーで忘年会があるのですが、来ませんか?」
断るわけなどありません。端っている時に迷惑だと思っていた気持ちなど一瞬で飛びまし
た。「はい、行きます」。
これが、キヨタとメンバーとの付き合いの始まりです。それにしても多くの人が走って
いるランニングコースで、よくもまぁ、酒好きだけが集まったものだ、と思います。

ただ、「走らなければ、ただの酔っ払い。」と言われた私達も、さすがに毎夜、練習後に飲みに行くのは、ちょっと疲れます。仕事が一番ですし、家庭のある人も多いです。お小遣いも限られています。そこで、何の規約も制約もないクラブでしたが、唯一決めたルールは、「飲みに行くのは火曜日だけ。」というもの。当時、スポーツセンターは毎月曜日が休館日でしたので、休み明けの火曜日にできるだけ多くのメンバーが集まり、飲みに行こう、との趣旨です。
私たちは単なる酒好きだけではありません。当時20代から30代のメンバーにはフルマラソンのサブスリーランナーも多数いましたし、ウルトラマラソンランナーもいました。結構、真面目にランニングや仕事にも励んでいましたので、決められたルールはちゃんと守る。決められたルールはきちんと守る。真面目な社会人の集まりでもあります。ところが…。どうしても汗を流した後のビールの魅力には勝てません。ルールはルールとして守りますが、いつしかメンバーのカレンダーは、日月火火火火土に。つまり週末と休館日以外は火。このクラブでの迷言はいくつかありますが、その一番と言って良い迷言『毎日が火曜日』というとんでもない新ルールが生まれました。今で言いうところの○○解釈です。

そんなメンバーが、酔っ払いの戯言を実行に移し瀬戸内海の島を巡る大人の夏休みが始まったのは12年前。2年に1度、8月第1周の週末の恒例行事となっている、
初回と第2回は香川県塩飽諸島のある広島、3回目からはターゲットを愛媛県に移し今治市(当時は越智郡)の大三島、続いて今治市の大島+馬島、さらに松山市中島、前回は愛媛県弓削島+豊島、そして今回選んだのは今治市岡村島。「とびしま海道」の終点にある島です。さて、どんな大人の夏休みになるのやら。

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努力は必ず報われるとは限りません。しかし、努力をしないと何も始まりません。いくつになっても努力を続けステップアップしていたいと思っています。

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