ポンポン船

 演劇を見に行ってきました。と言ってもS席12,000円もするようなお芝居ではありません。町の小さな劇団の、100人も入れば満杯になってしまう公民館での研究発表会です。それでもほとんどの劇団員は「河原乞食だ」などと自嘲しつつも真剣に俳優を目指しています。その中の友人から誘われ、行ってきました。

 演劇入門の定番『外郎売り』の口上に始まって(外郎というと、名古屋名物の和菓子のことだと誤解していました)、メインの演目は『父帰る』。
 作者の出身地に合わせてか、瀬戸内海の海沿いを舞台の設定としているようで、芝居の間中、潮の満ち干きが効果音として流れていました。ただ、私には、瀬戸内の海の音にしては、何か物足りないような気がして、芝居そっちのけで、なんだろうか、と考えていました。そして、気付きました。足りないもの、それはポンポン船のエンジン音。
 
 ポンポン船と言うのは、帆と発動機を両方を備え、瀬戸内を行き来する小型の船です。風のある時は帆、ない時は発動機で推進力を得ます。発動機を利用している時に、エンジン音が「ポン、ポン、ポン、」と聞こえてくるので、そう呼んでいました。子どもの頃から海辺に行くと、潮の音だけでなく、エンジン音がリズム良く聞こえてきました。

 終わった後に感想を訊かれ、「ポンポン船の音が足りなかった。」と言うと、「何、それ。」と言われました。その俳優さんは、海のないところで育った人でした。その人の故郷では「雪の降る夜は、ほんとうに、シンシンと音がする。」そうです。

コメントの投稿

非公開コメント

No title

「父帰る」とポンポン船は合いそうです。なんとまあ古い芝居を上演したのでしょうか? 高校の文化祭で「父帰る」の端役を演じたことがあります。おまけですが、ポンポンという音は焼玉エンジンからの音です。

No title

ポンポン船・・
きゃぁ~!なつかしい~♪

海に囲まれた島ですが、海辺が近かったわけじゃないので、
波とポンポン船のコラボは、きっと、学校とか、登下校のとき
生活音だったのかな~と、思います。

最近、実家に帰っても聞こえてきませんね。
サッシの窓だし、もう、ポンポンいって走る船じゃないんでしょうね。

No title

>kanrekiさん
 そうそう、焼玉エンジン。そう呼ばれていましたね。それにしても、文化祭での役者まで、kanrekiさんのご経験と言う袋には一体どれ程の物が納まっておられるのでしょうか。

>honeyさん
 確かに、最近は聞かなくなりましたね。ヤン坊、マー坊で有名な会社から高性能のエンジンが開発されて以降でしょうかね。照り返しに浮かんだ船の影が懐かしいです。
 
プロフィール

kiyo & yoko

Author:kiyo & yoko
努力は必ず報われるとは限りません。しかし、努力をしないと何も始まりません。いくつになっても努力を続けステップアップしていたいと思っています。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR