2011.02.14 ポンポン船
 演劇を見に行ってきました。と言ってもS席12,000円もするようなお芝居ではありません。町の小さな劇団の、100人も入れば満杯になってしまう公民館での研究発表会です。それでもほとんどの劇団員は「河原乞食だ」などと自嘲しつつも真剣に俳優を目指しています。その中の友人から誘われ、行ってきました。

 演劇入門の定番『外郎売り』の口上に始まって(外郎というと、名古屋名物の和菓子のことだと誤解していました)、メインの演目は『父帰る』。
 作者の出身地に合わせてか、瀬戸内海の海沿いを舞台の設定としているようで、芝居の間中、潮の満ち干きが効果音として流れていました。ただ、私には、瀬戸内の海の音にしては、何か物足りないような気がして、芝居そっちのけで、なんだろうか、と考えていました。そして、気付きました。足りないもの、それはポンポン船のエンジン音。
 
 ポンポン船と言うのは、帆と発動機を両方を備え、瀬戸内を行き来する小型の船です。風のある時は帆、ない時は発動機で推進力を得ます。発動機を利用している時に、エンジン音が「ポン、ポン、ポン、」と聞こえてくるので、そう呼んでいました。子どもの頃から海辺に行くと、潮の音だけでなく、エンジン音がリズム良く聞こえてきました。

 終わった後に感想を訊かれ、「ポンポン船の音が足りなかった。」と言うと、「何、それ。」と言われました。その俳優さんは、海のないところで育った人でした。その人の故郷では「雪の降る夜は、ほんとうに、シンシンと音がする。」そうです。
Secret

TrackBackURL
→http://kiyoandoyoko.blog137.fc2.com/tb.php/66-4670e2e4