相手側応援席からの大声援が響き渡るスタンド下の通路を急ぐ。通路からはグランドの様子は見えない。既に1回の表に先取点を取られ1点をリードされているのは電車の中で知っている。試合開始予定は16時30分だったので、仕事帰りでも試合の中盤以降からは観戦できるだろうと思っていたが、予定より開始が遅れているようだ。時間的には3回表の相手側の攻撃中だろう。追加点を奪われたのだろうか。通路からスタンドに出る。グランドでは守り終えた選手が自軍のベンチに引き揚げてくるところだった。スコアボードを見あげる。追加点は取られていない。0対1のまま。試合はこれからだ。席に着いた途端、先頭打者が3ベースヒットで出塁。さぁ、反撃開始だ。

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 神宮球場と東京ドームを舞台に開催された第65回全日本大学野球選手権大会。全国各地からリーグ戦や地区代表選を勝ち抜いた27校が参加している。その中で唯一の国公立大学の愛媛大学。四国代表だ。その1回戦は東京ドーム第4試合。対戦相手は福井工業大学。最近は高校野球でも甲子園で躍進している北陸地区の代表校だ。とは言え、例年、東京六大学や首都圏、そして関西地区の代表校が上位に進出する大会では、この組み合わせなら勝機もある、と期待している。私の出身校ではないが、愛媛からでは応援団も少ないだろうから枯れ木も山の賑わいだ。そう思い駆けつけた試合だ。

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 応援団は思っていた以上に少ない。控えの選手が20人程、他にマネージャーの女学生数人が一塊で声をからしている。大太鼓が1つあるだけで、ブラスバンドなどない。後はOBと思われるような年代の方が十数人、スタンドの思い思いの場所に座っているだけ。もっとも人数だけなら相手側も同じようなもの。ただ向こうにはトランペット隊が数人いて、応援を盛り上げている。高校野球のような華やかさは全くない。その代り、ボールがバットに当たる音や、グラブに収める音が良く聞こえる。プロ野球の試合なら先ず手に入らないベンチ脇の前列でも、周囲を気にすることなく座ることができる。学生野球なので流石にビールを飲みながら、という気分にはなれないが、本来の野球観戦の醍醐味を味わうこともできる。接戦の試合の行方も楽しみだ。

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 ノーアウト3塁のチャンス。空かさず次打者がタイムリーヒット。忽ち同点だ。さらにヒットが続きノーアウト1,2塁。畳み掛けるように手堅い送りバントが決まりワンアウト2,3塁。ここで3,4番に打順が回る。一気に逆転だ。応援団のボルテージも上がる。ところが後が続かず、同点止まり。試合の流れを掴みきれなかった。

 往々にして野球では、このような逸機の後にはピンチを迎える。不安は的中。直後の4回表に1点を勝ち越され、続く5回にも1点を積み重ねられてしまった。1点ずつ取られるは、結構ボディブローのように効いてくる。得点差以上にじりじりと追い詰められていく感じだ。6回から登板したリリーフ投手はピンチを迎えながらもなんとか無失点で抑えるが、攻撃陣は尻上がりに調子を上げる相手投手に内野安打1本(しかも直後に併殺打)と封じ込まれてしまっている。4回から8回まですべて3人ずつで攻撃を終了。得点差以上に重苦しい雰囲気が愛媛大学に圧し掛かったまま、1対3で迎えた9回表、福井工業大学の攻撃。セオリーなら3者凡退で抑え、リズムよく9回裏の逆転に向けての攻撃を迎えたい。ところが、それまでこの試合では無失策だった守備陣に二つの悪送球が続き、ダメ押しとも思われる1点を無駄に献上してしまう。こうなってしまうと万事窮す。9回裏も2アウト、ランナーなしまで追い込まれ、最後は見逃しの三振でゲームセット。結果論ではあるが、3回裏のチャンスを逃してしまったのが敗因か。改めて、野球の試合での流れの重さを感じさせられた。

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 今回は健闘及ばなかったものの、縁あって愛媛で学び、鍛えている学生さんたち。4年生は残り少ない学生生活を、下級生は来年、再来年に向け愛媛で貴重な青春時代を過ごしてほしいものです。



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